2026年9月1日|埋蔵票分析コラム

【今週の埋蔵票分析】兵庫県高砂市議選——当選ライン1,102票、眠る票は約4,277票

埋蔵票(推計)4,277票
当選ライン1,102票
候補者平均年齢56.5歳

選挙結果の概観

2026年8月30日執行の兵庫県高砂市・市区議会議員選挙は、定数19に対して22人が立候補する少数激戦型の選挙となった。有効投票総数は31,854票、当選ラインは1,102票。

順位 候補者 所属 当選回数 得票
1 川端 ひろあき 無所属 5期 1,914
2 きたの 誠一郎 無所属 6期 1,913
3 はるまし 勝利 公明党 2期 1,893
4 森 ひでき 公明党 4期 1,774
5 さこ川 高行 公明党 5期 1,721
6 まつもり 翔平 無所属 1期 1,711
7 横田 ひでき 日本維新の会 3期 1,590
8 松野 ゆうや 無所属 2期 1,582
9 山田 みつあき 無所属 3期 1,544
10 よしや あきら 無所属 1期 1,540
11 坂本 まり 無所属 2期 1,524
12 井口 かえこ 参政党 1期 1,459
13 森田 ともみ 無所属 1期 1,454
14 竹内 文彦 無所属 1期 1,362
15 芝本 やすあき 無所属 3期 1,344
16 鈴木 利信 無所属 6期 1,304
17 いりえ けいた 無所属 2期 1,121
18 大西 ゆき 日本共産党 3期 1,111
19 いしざき 徹 無所属 4期 1,102
─── 当選ライン 1,102票 ───
20 岩見 あきら 無所属 — 1,083
21 増田 ゆうし 無所属 — 1,040
22 さかべ 勝彦 日本共産党 — 768

トップ当選は川端 ひろあき氏(無所属)の1,914票。当選ラインの1.7倍を集めており、上位でも大きな貯金はなく、全体に票が分散した選挙だった。

ボーダーラインの攻防

最下位当選のいしざき 徹氏(1,102票)と次点の岩見 あきら氏(1,083票)の差は19票。1日の駅立ちや数十軒の訪問で動く票数であり、文字どおり「あと一歩」の攻防だった。

議会の構図

当選者の内訳は無所属13、公明党3、日本維新の会1、参政党1、日本共産党1。1期目の当選者が5人・4期以上のベテランが6人という顔ぶれだ。ベテラン優位の安定構造だが、裏を返せば次の改選期に引退による『空白票』が生まれやすい構図でもある。

投票率と担い手の変化

候補者の平均年齢は 2014年 56.5歳 → 2018年 56.3歳 → 2022年 55.6歳 → 2026年 56.5歳でほぼ横ばい。年齢構成に大きな変化はない。

ネット発信と拡散力

候補者22人のうち、ネット上の発信チャネルを確認できたのは5人(X(旧Twitter)1人・Instagram1人・Facebook5人)。当選者19人中3人が発信組だ。

発信あり候補の平均得票は1,037票と、むしろ非発信候補(1,569票)を下回った。この選挙区の得票の主軸は依然として地縁・組織にある。

検索エンジンでの「ネット登場度」を全候補で調べたところ、選挙情報データベース以外のサイトで名前がヒットした候補は1人もいなかった。有権者が名前を検索しても本人発の情報にたどり着けない状態であり、公式サイトを1枚持つだけで検索結果を独占できる環境だ。

拡散力の面では、報道露出(ニュース検索でヒットした記事数)が最も多いのは井口 かえこ氏の10件で、得票順位は22人中12位。露出が必ずしも票に結びついていないのが興味深い。

候補者 発信チャネル 登場度 報道 得票
井口 かえこ — — 10 1,459
横田 ひでき — — 8 1,590
森 ひでき — — 6 1,774
はるまし 勝利 — — 5 1,893
さこ川 高行 — — 5 1,721
いりえ けいた FB・IG — 1 1,121

※ ネット発信の状況は、選挙情報サイトのプロフィール・各SNSの公開ページ・ニュース検索で機械的に確認できた範囲によります。「ネット登場度」は検索エンジン上位結果の集計による目安で、X(旧Twitter)のフォロワー数など取得できない指標は含みません。

前回比と当社モデル想定の答え合わせ

前回から続けて立候補した16人について、前回の得票をもとに当社モデルで試算した「想定得票」と実際の結果を照合すると、想定を上回ったのは12人。全体の環境としては、候補者が前回の23人から22人へ減り、1人あたりの票は集まりやすくなった。

候補者 前回 モデル想定 今回 乖離
はるまし 勝利 1,736(7位) 約1,556 1,893(3位) +337(+22%)
横田 ひでき 1,609(10位) 約1,257 1,590(7位) +333(+26%)
山田 みつあき 1,340(13位) 約1,221 1,544(9位) +323(+26%)
坂本 まり 1,497(11位) 約1,257 1,524(11位) +267(+21%)
松野 ゆうや 1,652(9位) 約1,388 1,582(8位) +194(+14%)

最大の上振れは横田 ひでき氏。前回1,609票(10位)→今回1,590票(7位)で、モデル想定(約1,257票)を+333票(+26%)上回った。候補者減による票の集中に加え、地元での基盤固めが押し上げたとみられる。

※ 「想定得票」は前回の得票実績から当社モデルで機械的に試算した値です(算出方法は非公開)。乖離要因の記述は、候補者数・投票率・ネット発信状況など確認可能な事実に基づく推察です。

埋蔵票の推計

当社の統計モデルでこの選挙を分析すると、既存の政党・現職のいずれにも固定されていない票——いわゆる「埋蔵票」は約4,277票(全国ランクB・全国平均圏)と推計される。これは当選ライン3.9人分に相当し、組織を持たない新人にも十分な当選余地がある数字だ。

政党別の攻略余地

政党別に見ると、自民党は国政での得票力に対して地方議席が追いついておらず、上積み余地は+7,527票と最大。公認候補を1人立てれば当選圏に届く計算であり、次回の擁立が注目される。一方、参政党は現職が期待票をほぼ使い切っており、追加擁立の余地は乏しい。

政党 期待票 上積み余地 公認新人の不足票
自民党 7,527 +7,527 0
公明党 4,945 +81 1,021
日本維新の会 3,206 +1,905 0
立憲民主党 1,565 +1,565 0
参政党 1,242 0 1,102
日本共産党 1,179 +184 918
国民民主党 888 +888 214

次回の高砂市の選挙は2030年8月ごろと想定される。埋蔵票4,277票をどの陣営が掘り起こすか——準備は早い者勝ちだ。

※ 本記事の選挙結果は公開情報です。埋蔵票・上積み余地は、公開されている選挙結果と国政選挙の比例得票データをもとに当社独自の統計モデルで推計した参考値です(算出方法は非公開)。自民党は公認候補のみで集計し、無所属で活動する党員は無所属として扱っています。

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