2026年9月17日|埋蔵票分析コラム
【今週の埋蔵票分析】沖縄県沖縄市議選——当選ライン1,191票、眠る票は約11,977票
選挙結果の概観
2026年9月13日執行の沖縄県沖縄市・市区議会議員選挙(注目ポイント:大接戦)は、定数30に対して45人が立候補する多数乱立型の選挙となった。有効投票総数は63,625票、当選ラインは1,191票。
| 順位 | 候補者 | 所属 | 当選回数 | 得票 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | オド 敬介 | 自由民主党 | 1期 | 3,240 |
| 2 | くわえ さちや | 無所属 | 1期 | 3,021 |
| 3 | たかえす みどり | 無所属 | 1期 | 2,976 |
| 4 | 仲里 ユータ | 無所属 | 1期 | 2,170 |
| 5 | 川上 すえか | 無所属 | 1期 | 2,084 |
| 6 | 吉田 ゆうり | 参政党 | 1期 | 2,052 |
| 7 | しまぶく 恵祐 | 日本共産党 | 1期 | 1,884 |
| 8 | 桑江 なおや | 無所属 | 5期 | 1,872 |
| 9 | ヤガ ゆりこ | 公明党 | 1期 | 1,829 |
| 10 | 眞榮城 けんじ | 無所属 | 3期 | 1,823 |
| 11 | 喜友名 ひでき | 無所属 | 3期 | 1,781 |
| 12 | 大城 ハヤト | 自由民主党 | 3期 | 1,759 |
| 13 | ズケ山 良一郎 | 自由民主党 | 6期 | 1,741 |
| 14 | 山内 じゅんや | 無所属 | 1期 | 1,685 |
| 15 | 高江洲 よしつね | 参政党 | 1期 | 1,640 |
| 16 | なかそね まこと | 国民民主党 | 5期 | 1,540 |
| 17 | なかち かおる | 国民民主党 | 1期 | 1,535 |
| 18 | 仲宗根 ヨシジ | 自由民主党 | 1期 | 1,532 |
| 19 | うえち たかし | 公明党 | 3期 | 1,519 |
| 20 | ちばな ケイ | 立憲民主党 | 2期 | 1,517 |
| 21 | フジ山 勇一 | 公明党 | 4期 | 1,515 |
| 22 | 嵩元 なおも | 無所属 | 3期 | 1,507 |
| 23 | 伊佐 つよし | 無所属 | 4期 | 1,478 |
| 24 | 髙江洲 ヨシタダ | 自由民主党 | 1期 | 1,468 |
| 25 | とうめ ゆきひろ | 無所属 | 1期 | 1,453 |
| 26 | えのび 和光 | 無所属 | 4期 | 1,413 |
| 27 | コタニ 良博 | 無所属 | 4期 | 1,405 |
| 28 | アタリ 修 | 公明党 | 7期 | 1,346 |
| 29 | チバ あやこ | 日本共産党 | 3期 | 1,337 |
| 30 | 町田 ゆうすけ | 自由民主党 | 3期 | 1,191 |
| ─── 当選ライン 1,191票 ─── | ||||
| 31 | いれい 悟 | 無所属 | — | 1,163 |
| 32 | 桑江 けん | 無所属 | — | 1,163 |
| 33 | イナミネ 隆之 | 無所属 | — | 1,138 |
| 34 | なかよし 信勝 | 無所属 | — | 1,071 |
| 35 | キユナ ともひこ | 無所属 | — | 1,043 |
| 36 | とうやま ぜんかつ | 無所属 | — | 1,018 |
| 37 | しんざと 和也 | 参政党 | — | 1,005 |
| 38 | 諸見里 ひろみ | 無所属 | — | 823 |
| 39 | みやぎ ひろし | 無所属 | — | 790 |
| 40 | 玉城 かつまさ | 無所属 | — | 400 |
| 41 | 大山 マリ | 無所属 | — | 236 |
| 42 | 山本 太郎 | 無所属 | — | 201 |
| 43 | 出村 秀志 | 無所属 | — | 150 |
| 44 | 伊波 カツヤ | 無所属 | — | 94 |
| 45 | 保山 季之 | 無所属 | — | 19 |
※ 金色の帯より上が当選。得票の小数点以下は按分票(同姓票の割り振り)で四捨五入。
トップ当選はオド 敬介氏(自由民主党)の3,240票。当選ラインの2.7倍を集めており、盤石の個人票を持つことがうかがえる。
ボーダーラインの攻防
最下位当選の町田 ゆうすけ氏(1,191票)と次点のいれい 悟氏(1,163票)の差は28票。1日の駅立ちや数十軒の訪問で動く票数であり、文字どおり「あと一歩」の攻防だった。
議会の構図
当選者の内訳は無所属13、自由民主党6、公明党4、参政党2、日本共産党2、国民民主党2、立憲民主党1。1期目の当選者が14人・4期以上のベテランが8人という顔ぶれだ。新旧交代が進みつつある議会であり、次回は現職の引退・世代交代がさらに票を流動化させる可能性が高い。
投票率と担い手の変化
投票率の推移は 2014年 54.28% → 2018年 49.64% → 2022年 56.08% → 2026年 59.78%。通算5.5ポイントの上昇。無党派層が動き始めており、風向き次第で情勢が大きく振れる土壌がある。
候補者の平均年齢は 2014年 51.0歳 → 2018年 51.9歳 → 2022年 48.6歳 → 2026年 51.2歳と、4.0歳若返っている。世代交代の流れが票の流動性を高めている。
ネット発信と拡散力
候補者45人のうち、ネット上の発信チャネルを確認できたのは28人(X(旧Twitter)15人・Instagram17人・Facebook19人・YouTube6人・LINE6人)。当選者30人中19人が発信組だ。
発信あり候補の平均得票は1,426票、なし候補は1,394票と大差なく、ネットの有無だけでは差がつかない段階と言える。
検索エンジンでの「ネット登場度」(選挙情報データベースを除き、何種類のサイトに名前が登場するか)を全候補で調べると、最多はうえち たかし氏の3サイト(得票順位19位)。自身の公式サイトとみられる komei.or.jp も検索上位に入っており、ネット上の「名刺」が整っている。一方で候補者45人中24人は、データベース系サイト以外で名前がヒットしなかった。
拡散力の面では、報道露出(ニュース検索でヒットした記事数)が最も多いのは山本 太郎氏の50件で、得票順位は45人中42位。露出が必ずしも票に結びついていないのが興味深い。
YouTubeではしんざと 和也氏がチャンネル登録者約23人と頭ひとつ抜けている。
| 候補者 | 発信チャネル | 登場度 | 報道 | 得票 |
|---|---|---|---|---|
| ちばな ケイ当選 | FB・IG・X・YT・blog | 1 | 9 | 1,517 |
| 桑江 なおや当選 | FB・IG・LINE・X・YT | 2 | 9 | 1,872 |
| なかそね まこと当選 | FB・IG・LINE・X・YT | 2 | 19 | 1,540 |
| しまぶく 恵祐当選 | FB・IG・LINE・X・YT | 1 | 10 | 1,884 |
| しんざと 和也 | FB・IG・YT | — | 10 | 1,005 |
| 山本 太郎 | FB・IG・X | 1 | 50 | 201 |
※ 登場度=検索で名前が出るサイト数(選挙DB除く)/報道=ニュース検索ヒット件数。上位6人。
※ ネット発信の状況は、選挙情報サイトのプロフィール・各SNSの公開ページ・ニュース検索で機械的に確認できた範囲によります。「ネット登場度」は検索エンジン上位結果の集計による目安で、X(旧Twitter)のフォロワー数など取得できない指標は含みません。
前回比と当社モデル想定の答え合わせ
前回から続けて立候補した27人について、前回の得票をもとに当社モデルで試算した「想定得票」と実際の結果を照合すると、想定を上回ったのは14人。全体の環境としては、候補者が前回の40人から45人へ増え、票の奪い合いが激しくなった。また投票率が+3.7ポイント上昇した。
| 候補者 | 前回 | モデル想定 | 今回 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 桑江 なおや当選 | 3,332(1位) | 約2,961 | 1,872(8位) | −1,090(−37%) |
| 髙江洲 ヨシタダ当選 | 1,040(32位) | 約915 | 1,468(24位) | +553(+60%) |
| 桑江 けん | 1,968(5位) | 約1,655 | 1,163(32位) | −492(−30%) |
| アタリ 修当選 | 1,954(8位) | 約1,731 | 1,346(28位) | −385(−22%) |
| チバ あやこ当選 | 1,904(9位) | 約1,710 | 1,337(29位) | −373(−22%) |
※ 乖離の大きい順に5人。
最大の上振れは髙江洲 ヨシタダ氏。前回1,040票(32位)→今回1,468票(24位)で、モデル想定(約915票)を+553票(+60%)上回った。SNS等2チャネルでの積極発信、投票率の上昇に加え、地元での基盤固めが押し上げたとみられる。
逆に最も想定を割り込んだのは桑江 なおや氏。前回3,332票(1位)から今回1,872票(8位)にとどまった。モデル想定(約2,961票)を1,090票(-37%)下回っており、候補者増による票割れが影響した可能性がある。
※ 「想定得票」は前回の得票実績から当社モデルで機械的に試算した値です(算出方法は非公開)。乖離要因の記述は、候補者数・投票率・ネット発信状況など確認可能な事実に基づく推察です。
埋蔵票の推計
当社の統計モデルでこの選挙を分析すると、既存の政党・現職のいずれにも固定されていない票——いわゆる「埋蔵票」は約11,977票(全国ランクA・全国上位)と推計される。これは当選ライン10.1人分に相当し、組織を持たない新人にも十分な当選余地がある数字だ。
政党別の攻略余地
政党別に見ると、自民党は国政での得票力に対して地方議席が追いついておらず、上積み余地は+1,980票と最大。公認候補を1人立てれば当選圏に届く計算であり、次回の擁立が注目される。一方、参政党は現職が期待票をほぼ使い切っており、追加擁立の余地は乏しい。
| 政党 | 期待票 | 上積み余地 | 公認新人の不足票 |
|---|---|---|---|
| 自民党 | 11,389 | +1,980 | 0 |
| 公明党 | 6,770 | +1,185 | 6 |
| 立憲民主党 | 3,095 | +1,730 | 0 |
| 日本共産党 | 2,274 | 0 | 1,191 |
| 参政党 | 2,006 | 0 | 1,191 |
| 国民民主党 | 1,318 | 0 | 1,191 |
| 日本維新の会 | 1,117 | +1,117 | 74 |
次回の沖縄市の選挙は2030年9月ごろと想定される。埋蔵票11,977票をどの陣営が掘り起こすか——準備は早い者勝ちだ。
※ 本記事の選挙結果は公開情報です。埋蔵票・上積み余地は、公開されている選挙結果と国政選挙の比例得票データをもとに当社独自の統計モデルで推計した参考値です(算出方法は非公開)。自民党は公認候補のみで集計し、無所属で活動する党員は無所属として扱っています。
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