2026年9月22日|埋蔵票分析コラム

【今週の埋蔵票分析】群馬県館林市議選——当選ライン776票、眠る票は約8,658票

埋蔵票(推計)8,658票
当選ライン776票
投票率47.61%
候補者平均年齢56.7歳

選挙結果の概観

2026年9月20日執行の群馬県館林市・市区議会議員選挙(注目ポイント:大接戦)は、定数18に対して32人が立候補する多数乱立型の選挙となった。有効投票総数は27,882票、当選ラインは776票。

順位 候補者 所属 当選回数 得票
1 秋元 よしあき 参政党 1期 2,059
2 谷田川 あきよし 無所属 1期 1,668
3 しぶや りつ子 無所属 3期 1,406
4 田辺 じゅんこ 日本共産党 2期 1,397
5 岡野 ようこ 無所属 2期 1,369
6 西城 隼人 無所属 1期 1,367
7 半田 てつや 無所属 1期 1,293
8 平井 れいこ 公明党 3期 1,275
9 堀口 きくえ 公明党 2期 1,198
10 しのぎ 正明 日本共産党 6期 1,159
11 にいべ 貴広 無所属 1期 973
12 野本 やすお 無所属 2期 964
13 川村 ゆきひと 無所属 3期 938
14 飯島 ひとし 無所属 2期 866
15 杉崎 ただよし 無所属 1期 842
16 吉野 たかし 無所属 6期 838
17 ごんだ 昌弘 無所属 4期 790
18 渡辺 みつのり 無所属 4期 776
─── 当選ライン 776票 ───
19 小林 ただや 無所属 — 732
20 飯塚 たつや 無所属 — 720
21 さいとう こういち 無所属 — 685
22 岩上 ひろし 無所属 — 680
23 八木橋 ようすけ 無所属 — 622
24 しばた まこと 無所属 — 564
25 内藤 和輝 無所属 — 530
26 池森 のり子 無所属 — 500
27 井上 かつひこ 無所属 — 437
28 吉野 みちひろ 無所属 — 333
29 斉藤 しんいち 無所属 — 312
30 原島 寿 無所属 — 303
31 佐藤 さとし 無所属 — 192
32 館林 きよのり 無所属 — 94

トップ当選は秋元 よしあき氏(参政党)の2,059票。当選ラインの2.7倍を集めており、盤石の個人票を持つことがうかがえる。

ボーダーラインの攻防

最下位当選の渡辺 みつのり氏(776票)と次点の小林 ただや氏(732票)の差は44票。1日の駅立ちや数十軒の訪問で動く票数であり、文字どおり「あと一歩」の攻防だった。

議会の構図

当選者の内訳は無所属13、日本共産党2、公明党2、参政党1。1期目の当選者が6人・4期以上のベテランが4人という顔ぶれだ。新旧交代が進みつつある議会であり、次回は現職の引退・世代交代がさらに票を流動化させる可能性が高い。

投票率と担い手の変化

投票率の推移は 2014年 51.06% → 2018年 43.85% → 2022年 46.36% → 2026年 47.61%。通算3.5ポイントの低下で、棄権に回る票は年々厚みを増している。裏を返せば、この層を投票所に呼び戻せた陣営が選挙を制する。

候補者の平均年齢は 2014年 59.0歳 → 2018年 61.1歳 → 2022年 61.1歳 → 2026年 56.7歳と、この間に2.7歳の高齢化が進んだ。若い挑戦者にとっては、立つだけで差別化になる環境だ。

ネット発信と拡散力

候補者32人のうち、ネット上の発信チャネルを確認できたのは15人(X(旧Twitter)6人・Instagram11人・Facebook10人・YouTube4人・LINE5人)。当選者18人中10人が発信組だ。

発信あり候補の平均得票は987票と、確認できなかった候補(769票)の約1.3倍。因果とまでは言えないが、ネット上の活動量と得票が連動している選挙区だ。

検索エンジンでの「ネット登場度」(選挙情報データベースを除き、何種類のサイトに名前が登場するか)を全候補で調べると、最多は西城 隼人氏の2サイト(得票順位6位)。一方で候補者32人中28人は、データベース系サイト以外で名前がヒットしなかった。

拡散力の面では、報道露出(ニュース検索でヒットした記事数)が最も多いのは秋元 よしあき氏の10件で、得票順位は32人中1位。メディア露出と得票が噛み合っている。

YouTubeでは秋元 よしあき氏がチャンネル登録者約645人と頭ひとつ抜けている。

候補者 発信チャネル 登場度 報道 得票
谷田川 あきよし FB・IG・YT — 10 1,668
秋元 よしあき IG・LINE・X・YT — 10 2,059
杉崎 ただよし FB・IG・LINE — 10 842
八木橋 ようすけ FB・IG・LINE・X — 9 622
堀口 きくえ FB・IG・X — 10 1,198
にいべ 貴広 FB・IG — 10 973

※ ネット発信の状況は、選挙情報サイトのプロフィール・各SNSの公開ページ・ニュース検索で機械的に確認できた範囲によります。「ネット登場度」は検索エンジン上位結果の集計による目安で、X(旧Twitter)のフォロワー数など取得できない指標は含みません。

前回比と当社モデル想定の答え合わせ

前回から続けて立候補した18人について、前回の得票をもとに当社モデルで試算した「想定得票」と実際の結果を照合すると、想定を上回ったのは2人。全体の環境としては、候補者が前回の23人から32人へ増え、票の奪い合いが激しくなった。また投票率が+1.2ポイント上昇した。

候補者 前回 モデル想定 今回 乖離
岩上 ひろし 1,576(5位) 約1,325 680(22位) −645(−49%)
小林 ただや 1,566(6位) 約1,317 732(19位) −585(−44%)
野本 やすお 1,738(4位) 約1,461 964(12位) −497(−34%)
しぶや りつ子 2,067(1位) 約1,884 1,406(3位) −478(−25%)
平井 れいこ 1,799(3位) 約1,638 1,275(8位) −363(−22%)

逆に最も想定を割り込んだのは斉藤 しんいち氏。前回759票(19位)から落選した。モデル想定(約638票)を326票(-51%)下回っており、候補者増による票割れ、多くの候補がネット発信を行う中で本人の発信がほぼ確認できないことが影響した可能性がある。

※ 「想定得票」は前回の得票実績から当社モデルで機械的に試算した値です(算出方法は非公開)。乖離要因の記述は、候補者数・投票率・ネット発信状況など確認可能な事実に基づく推察です。

埋蔵票の推計

当社の統計モデルでこの選挙を分析すると、既存の政党・現職のいずれにも固定されていない票——いわゆる「埋蔵票」は約8,658票(全国ランクA・全国上位)と推計される。これは当選ライン11.2人分に相当し、組織を持たない新人にも十分な当選余地がある数字だ。

政党別の攻略余地

政党別に見ると、自民党は国政での得票力に対して地方議席が追いついておらず、上積み余地は+6,838票と最大。公認候補を1人立てれば当選圏に届く計算であり、次回の擁立が注目される。一方、参政党は現職が期待票をほぼ使い切っており、追加擁立の余地は乏しい。

政党 期待票 上積み余地 公認新人の不足票
自民党 6,838 +6,838 0
公明党 2,846 +599 177
立憲民主党 1,966 +1,966 0
日本共産党 1,102 0 776
参政党 1,047 0 776
国民民主党 908 +908 0
日本維新の会 741 +741 35

次回の館林市の選挙は2030年9月ごろと想定される。埋蔵票8,658票をどの陣営が掘り起こすか——準備は早い者勝ちだ。

※ 本記事の選挙結果は公開情報です。埋蔵票・上積み余地は、公開されている選挙結果と国政選挙の比例得票データをもとに当社独自の統計モデルで推計した参考値です(算出方法は非公開)。自民党は公認候補のみで集計し、無所属で活動する党員は無所属として扱っています。

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