2026年10月13日|埋蔵票分析コラム
静岡県裾野市議選2026|結果と当選ライン533票の分析——眠る票は約3,512票
選挙結果の概観
2026年10月4日執行の静岡県裾野市・市区議会議員選挙(注目ポイント:大接戦)は、定数19に対して26人が立候補する多数乱立型の選挙となった。有効投票総数は21,372票、当選ラインは533票。
| 順位 | 候補者 | 所属 | 当選回数 | 得票 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | かも 博美 | 無所属 | 5期 | 3,647 |
| 2 | 浅田 もとゆき | 国民民主党 | 3期 | 1,334 |
| 3 | 内藤 のり子 | 無所属 | 6期 | 1,271 |
| 4 | 増田 ゆうじ | 無所属 | 3期 | 1,256 |
| 5 | 杉山 しんたろう | 無所属 | 1期 | 1,127 |
| 6 | 杉山 しげき | 無所属 | 4期 | 973 |
| 7 | 星野 大海 | 無所属 | 1期 | 895 |
| 8 | のりたけ 優貴 | 無所属 | 2期 | 882 |
| 9 | 勝又 としひろ | 無所属 | 3期 | 858 |
| 10 | 大宮山 けんたろう | 参政党 | 1期 | 857 |
| 11 | みとみ 美代子 | 公明党 | 6期 | 778 |
| 12 | 土屋 きみひさ | 無所属 | 3期 | 743 |
| 13 | 杉本 あきよし | 無所属 | 1期 | 741 |
| 14 | 渡辺 こうめい | 公明党 | 1期 | 706 |
| 15 | 木村 のりゆき | 無所属 | 2期 | 704 |
| 16 | 岡本 かずえ | 日本共産党 | 6期 | 671 |
| 17 | 小林 しゅん | 無所属 | 6期 | 610 |
| 18 | おおはし 勝彦 | 無所属 | 2期 | 581 |
| 19 | 勝又 ゆたか | 無所属 | 3期 | 533 |
| ─── 当選ライン 533票 ─── | ||||
| 20 | しおざき 利和 | 無所属 | — | 518 |
| 21 | 芹沢 かおる | 無所属 | — | 460 |
| 22 | 鈴木 むつき | 無所属 | — | 411 |
| 23 | 大橋 いつお | 無所属 | — | 380 |
| 24 | 竹本 じゅん | 無所属 | — | 292 |
| 25 | 稲垣 かずや | 無所属 | — | 103 |
| 26 | やじま 千尋 | 無所属 | — | 41 |
※ 金色の帯より上が当選。得票の小数点以下は按分票(同姓票の割り振り)で四捨五入。
トップ当選はかも 博美氏(無所属)の3,647票。当選ラインの6.8倍を集めており、盤石の個人票を持つことがうかがえる。
ボーダーラインの攻防
最下位当選の勝又 ゆたか氏(533票)と次点のしおざき 利和氏(518票)の差は15票。1日の駅立ちや数十軒の訪問で動く票数であり、文字どおり「あと一歩」の攻防だった。
議会の構図
当選者の内訳は無所属14、公明党2、国民民主党1、参政党1、日本共産党1。1期目の当選者が5人・4期以上のベテランが6人という顔ぶれだ。ベテラン優位の安定構造だが、裏を返せば次の改選期に引退による『空白票』が生まれやすい構図でもある。
投票率と担い手の変化
投票率の推移は 2014年 54.4% → 2018年 54.53% → 2022年 52.09% → 2026年 53.9%。投票率は比較的安定しており、固定票の比重が高い選挙と言える。
候補者の平均年齢は 2014年 54.8歳 → 2018年 54.9歳 → 2022年 58.4歳 → 2026年 51.9歳と、6.1歳若返っている。世代交代の流れが票の流動性を高めている。
ネット発信と拡散力
候補者26人のうち、ネット上の発信チャネルを確認できたのは24人(X(旧Twitter)7人・Instagram15人・Facebook20人・YouTube8人・LINE5人)。当選者19人中18人が発信組だ。
検索エンジンでの「ネット登場度」(選挙情報データベースを除き、何種類のサイトに名前が登場するか)を全候補で調べると、最多は浅田 もとゆき氏の2サイト(得票順位2位)。一方で候補者26人中19人は、データベース系サイト以外で名前がヒットしなかった。
拡散力の面では、報道露出(ニュース検索でヒットした記事数)が最も多いのは大宮山 けんたろう氏の15件で、得票順位は26人中10位。露出が必ずしも票に結びついていないのが興味深い。
YouTubeではやじま 千尋氏がチャンネル登録者約1,290人と頭ひとつ抜けている。
| 候補者 | 発信チャネル | 登場度 | 報道 | 得票 |
|---|---|---|---|---|
| 杉本 あきよし当選 | FB・IG・YT・blog | — | 10 | 741 |
| 大宮山 けんたろう当選 | FB・IG・X・YT | — | 15 | 857 |
| 浅田 もとゆき当選 | FB・YT | 2 | 3 | 1,334 |
| かも 博美当選 | FB・IG・LINE・YT | — | — | 3,647 |
| 内藤 のり子当選 | FB・IG・X | 1 | 1 | 1,271 |
| 木村 のりゆき当選 | FB・IG・LINE | 2 | — | 704 |
※ 登場度=検索で名前が出るサイト数(選挙DB除く)/報道=ニュース検索ヒット件数。上位6人。
※ ネット発信の状況は、選挙情報サイトのプロフィール・各SNSの公開ページ・ニュース検索で機械的に確認できた範囲によります。「ネット登場度」は検索エンジン上位結果の集計による目安で、X(旧Twitter)のフォロワー数など取得できない指標は含みません。
前回比と当社モデル想定の答え合わせ
前回から続けて立候補した14人について、前回の得票をもとに当社モデルで試算した「想定得票」と実際の結果を照合すると、想定を上回ったのは10人。全体の環境としては、候補者が前回の21人から26人へ増え、票の奪い合いが激しくなった。また投票率が+1.8ポイント上昇した。
| 候補者 | 前回 | モデル想定 | 今回 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| かも 博美当選 | 2,052(1位) | 約1,825 | 3,647(1位) | +1,822(+100%) |
| 浅田 もとゆき当選 | 770(16位) | 約702 | 1,334(2位) | +632(+90%) |
| のりたけ 優貴当選 | 1,498(3位) | 約1,259 | 882(8位) | −377(−30%) |
| おおはし 勝彦当選 | 1,126(8位) | 約947 | 581(18位) | −365(−39%) |
| 増田 ゆうじ当選 | 1,190(6位) | 約1,085 | 1,256(4位) | +171(+16%) |
※ 乖離の大きい順に5人。
最大の上振れはかも 博美氏。前回2,052票(1位)→今回3,647票(1位)で、モデル想定(約1,825票)を+1,822票(+100%)上回った。SNS等4チャネルでの積極発信、投票率の上昇に加え、地元での基盤固めが押し上げたとみられる。
逆に最も想定を割り込んだのはおおはし 勝彦氏。前回1,126票(8位)から今回581票(18位)にとどまった。モデル想定(約947票)を365票(-39%)下回っており、候補者増による票割れが影響した可能性がある。
※ 「想定得票」は前回の得票実績から当社モデルで機械的に試算した値です(算出方法は非公開)。乖離要因の記述は、候補者数・投票率・ネット発信状況など確認可能な事実に基づく推察です。
埋蔵票の推計
当社の統計モデルでこの選挙を分析すると、既存の政党・現職のいずれにも固定されていない票——いわゆる「埋蔵票」は約3,512票(全国ランクB・全国平均圏)と推計される。これは当選ライン6.6人分に相当し、組織を持たない新人にも十分な当選余地がある数字だ。
政党別の攻略余地
政党別に見ると、自民党は国政での得票力に対して地方議席が追いついておらず、上積み余地は+5,129票と最大。公認候補を1人立てれば当選圏に届く計算であり、次回の擁立が注目される。一方、参政党は現職が期待票をほぼ使い切っており、追加擁立の余地は乏しい。
| 政党 | 期待票 | 上積み余地 | 公認新人の不足票 |
|---|---|---|---|
| 自民党 | 5,129 | +5,129 | 0 |
| 公明党 | 2,041 | +721 | 0 |
| 立憲民主党 | 1,160 | +1,160 | 0 |
| 国民民主党 | 1,071 | 0 | 533 |
| 日本共産党 | 620 | 0 | 533 |
| 参政党 | 619 | 0 | 533 |
| 日本維新の会 | 579 | +579 | 0 |
次回の裾野市の選挙は2030年10月ごろと想定される。埋蔵票3,512票をどの陣営が掘り起こすか——準備は早い者勝ちだ。
※ 本記事の選挙結果は公開情報です。埋蔵票・上積み余地は、公開されている選挙結果と国政選挙の比例得票データをもとに当社独自の統計モデルで推計した参考値です(算出方法は非公開)。自民党は公認候補のみで集計し、無所属で活動する党員は無所属として扱っています。
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