2026年9月12日|埋蔵票分析コラム
【今週の埋蔵票分析】京都府綾部市議選——当選ライン429票、眠る票は約2,109票
選挙結果の概観
2026年8月30日執行の京都府綾部市・市区議会議員選挙は、定数18に対して22人が立候補する多数乱立型の選挙となった。有効投票総数は12,786票、当選ラインは429票。
| 順位 | 候補者 | 所属 | 当選回数 | 得票 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 渡辺 さゆり | 公明党 | 2期 | 1,057 |
| 2 | 高橋 輝 | 無所属 | 6期 | 912 |
| 3 | 梅原 てつし | 無所属 | 3期 | 883 |
| 4 | 片岡 ひであき | 無所属 | 4期 | 832 |
| 5 | 吉﨑 あつ子 | 日本共産党 | 2期 | 748 |
| 6 | 中島 ゆうこ | 無所属 | 3期 | 730 |
| 7 | やなぎはら 秀一 | 無所属 | 3期 | 710 |
| 8 | 藤岡 さかえ | 無所属 | 1期 | 704 |
| 9 | つかさき たいし | 日本共産党 | 2期 | 682 |
| 10 | 本田 ふみお | 無所属 | 3期 | 638 |
| 11 | 小松 ひでのり | 日本共産党 | 1期 | 621 |
| 12 | 酒井 ひろふみ | 無所属 | 3期 | 585 |
| 13 | 後藤 光 | 無所属 | 2期 | 510 |
| 14 | 横山 こうぞう | 無所属 | 1期 | 510 |
| 15 | 藤岡 こうじ | 無所属 | 3期 | 498 |
| 16 | 松本 さちこ | 無所属 | 3期 | 432 |
| 17 | 神田 かずゆき | 無所属 | 1期 | 432 |
| 18 | 足立 てるき | 無所属 | 1期 | 429 |
| ─── 当選ライン 429票 ─── | ||||
| 19 | 下田 良介 | 無所属 | — | 351 |
| 20 | いしざき 喜之 | 無所属 | — | 256 |
| 21 | 河北 ひさ子 | 無所属 | — | 187 |
| 22 | 市村 ひろあき | 無所属 | — | 79 |
※ 金色の帯より上が当選。得票の小数点以下は按分票(同姓票の割り振り)で四捨五入。
トップ当選は渡辺 さゆり氏(公明党)の1,057票。当選ラインの2.5倍を集めており、盤石の個人票を持つことがうかがえる。
ボーダーラインの攻防
最下位当選の足立 てるき氏(429票)と次点の下田 良介氏(351票)の差は78票。1日の駅立ちや数十軒の訪問で動く票数であり、文字どおり「あと一歩」の攻防だった。
議会の構図
当選者の内訳は無所属14、日本共産党3、公明党1。1期目の当選者が5人・4期以上のベテランが2人という顔ぶれだ。新旧交代が進みつつある議会であり、次回は現職の引退・世代交代がさらに票を流動化させる可能性が高い。
投票率と担い手の変化
候補者の平均年齢は 2014年 57.8歳 → 2018年 54.8歳 → 2022年 57.2歳 → 2026年 57.5歳でほぼ横ばい。年齢構成に大きな変化はない。
ネット発信と拡散力
候補者22人のプロフィールを確認したところ、SNS等のネット発信を確認できた候補は皆無だった。完全な「地上戦」の選挙区であり、ネットを本格活用する候補が現れれば、それだけで目立てる環境だ。
| 候補者 | 発信チャネル | 登場度 | 報道 | 得票 |
|---|---|---|---|---|
| 渡辺 さゆり当選 | — | 3 | 3 | 1,057 |
| 高橋 輝当選 | — | 3 | 1 | 912 |
| つかさき たいし当選 | — | — | 2 | 682 |
| 小松 ひでのり当選 | — | — | 2 | 621 |
| 後藤 光当選 | — | — | 2 | 510 |
| 下田 良介 | — | — | 2 | 351 |
※ 登場度=検索で名前が出るサイト数(選挙DB除く)/報道=ニュース検索ヒット件数。上位6人。
※ ネット発信の状況は、選挙情報サイトのプロフィール・各SNSの公開ページ・ニュース検索で機械的に確認できた範囲によります。「ネット登場度」は検索エンジン上位結果の集計による目安で、X(旧Twitter)のフォロワー数など取得できない指標は含みません。
前回比と当社モデル想定の答え合わせ
前回から続けて立候補した14人について、前回の得票をもとに当社モデルで試算した「想定得票」と実際の結果を照合すると、想定を上回ったのは6人。全体の環境としては、候補者が前回の19人から22人へ増え、票の奪い合いが激しくなった。
| 候補者 | 前回 | モデル想定 | 今回 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 河北 ひさ子 | 704(9位) | 約591 | 187(21位) | −404(−68%) |
| 中島 ゆうこ当選 | 585(14位) | 約533 | 730(6位) | +197(+37%) |
| やなぎはら 秀一当選 | 588(13位) | 約536 | 710(7位) | +174(+32%) |
| 本田 ふみお当選 | 543(17位) | 約495 | 638(10位) | +143(+29%) |
| つかさき たいし当選 | 668(11位) | 約559 | 682(9位) | +123(+22%) |
※ 乖離の大きい順に5人。
最大の上振れは中島 ゆうこ氏。前回585票(14位)→今回730票(6位)で、モデル想定(約533票)を+197票(+37%)上回った。地域での活動の積み増しなど、ネット外の要因が押し上げたとみられる。
逆に最も想定を割り込んだのは河北 ひさ子氏。前回704票(9位)から落選した。モデル想定(約591票)を404票(-68%)下回っており、候補者増による票割れが影響した可能性がある。
※ 「想定得票」は前回の得票実績から当社モデルで機械的に試算した値です(算出方法は非公開)。乖離要因の記述は、候補者数・投票率・ネット発信状況など確認可能な事実に基づく推察です。
埋蔵票の推計
当社の統計モデルでこの選挙を分析すると、既存の政党・現職のいずれにも固定されていない票——いわゆる「埋蔵票」は約2,109票(全国ランクB・全国平均圏)と推計される。これは当選ライン4.9人分に相当し、組織を持たない新人にも十分な当選余地がある数字だ。
政党別の攻略余地
政党別に見ると、自民党は国政での得票力に対して地方議席が追いついておらず、上積み余地は+2,481票と最大。公認候補を1人立てれば当選圏に届く計算であり、次回の擁立が注目される。一方、日本共産党は現職が期待票をほぼ使い切っており、追加擁立の余地は乏しい。
| 政党 | 期待票 | 上積み余地 | 公認新人の不足票 |
|---|---|---|---|
| 自民党 | 2,481 | +2,481 | 0 |
| 日本共産党 | 1,340 | 0 | 429 |
| 公明党 | 1,128 | +162 | 266 |
| 日本維新の会 | 832 | +832 | 0 |
| 立憲民主党 | 755 | +755 | 0 |
| 国民民主党 | 331 | +331 | 98 |
| 参政党 | 280 | +280 | 149 |
次回の綾部市の選挙は2030年8月ごろと想定される。埋蔵票2,109票をどの陣営が掘り起こすか——準備は早い者勝ちだ。
※ 本記事の選挙結果は公開情報です。埋蔵票・上積み余地は、公開されている選挙結果と国政選挙の比例得票データをもとに当社独自の統計モデルで推計した参考値です(算出方法は非公開)。自民党は公認候補のみで集計し、無所属で活動する党員は無所属として扱っています。
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