2026年9月29日|埋蔵票分析コラム

【今週の埋蔵票分析】山梨県市川三郷町議選——当選ライン333票、眠る票は約1,214票

埋蔵票(推計)1,214票
当選ライン333票
投票率65.41%
候補者平均年齢69.3歳

選挙結果の概観

2026年9月27日執行の山梨県市川三郷町・町村議会議員選挙(注目ポイント:候補者平均69.3歳の高齢化)は、定数14に対して15人が立候補する少数激戦型の選挙となった。有効投票総数は7,893票、当選ラインは333票。

順位 候補者 所属 当選回数 得票
1 斉藤 みさ 公明党 — 973
2 すわ 桂一 無所属 — 929
3 新津 まりか 無所属 — 644
4 座光寺 まさる 無所属 — 531
5 松野 きよたか 無所属 — 523
6 秋山 とよひこ 無所属 — 508
7 一瀬 正 日本共産党 — 503
8 小川 好一 無所属 — 494
9 一瀬 ひろあき 無所属 — 460
10 笠井 ゆういち 無所属 — 458
11 新津 千吉 無所属 — 414
12 丹沢 たかし 無所属 — 400
13 よだ 十造 無所属 — 392
14 高尾 とおる 無所属 — 333
─── 当選ライン 333票 ───
15 一之瀬 しげき 無所属 — 331

トップ当選は斉藤 みさ氏(公明党)の973票。当選ラインの2.9倍を集めており、盤石の個人票を持つことがうかがえる。

ボーダーラインの攻防

最下位当選の高尾 とおる氏(333票)と次点の一之瀬 しげき氏(331票)の差は2票。1日の駅立ちや数十軒の訪問で動く票数であり、文字どおり「あと一歩」の攻防だった。

議会の構図

当選者の内訳は無所属12、公明党1、日本共産党1。

投票率と担い手の変化

投票率の推移は 2010年 78.89% → 2018年 70.4% → 2022年 68.12% → 2026年 65.41%。通算13.5ポイントの低下で、棄権に回る票は年々厚みを増している。裏を返せば、この層を投票所に呼び戻せた陣営が選挙を制する。

今回の候補者の平均年齢は69.3歳。60歳を大きく超えており、担い手の高齢化は顕著だ。数年内の引退ラッシュ=票の流動化は避けられない。

ネット発信と拡散力

候補者15人のうち、ネット上の発信チャネルを確認できたのは2人(X(旧Twitter)1人・Instagram2人・Facebook2人)。当選者14人中2人が発信組だ。

検索エンジンでの「ネット登場度」(選挙情報データベースを除き、何種類のサイトに名前が登場するか)を全候補で調べると、最多は丹沢 たかし氏の1サイト(得票順位12位)。自身の公式サイトとみられる t-tanzawa.com も検索上位に入っており、ネット上の「名刺」が整っている。一方で候補者15人中14人は、データベース系サイト以外で名前がヒットしなかった。

拡散力の面では、報道露出(ニュース検索でヒットした記事数)が最も多いのは斉藤 みさ氏の1件で、得票順位は15人中1位。メディア露出と得票が噛み合っている。

候補者 発信チャネル 登場度 報道 得票
斉藤 みさ FB・IG・X — 1 973
新津 まりか FB・IG — — 644
一瀬 ひろあき — — 1 460
丹沢 たかし — 1 — 400
すわ 桂一 — — — 929
座光寺 まさる — — — 531

※ ネット発信の状況は、選挙情報サイトのプロフィール・各SNSの公開ページ・ニュース検索で機械的に確認できた範囲によります。「ネット登場度」は検索エンジン上位結果の集計による目安で、X(旧Twitter)のフォロワー数など取得できない指標は含みません。

前回比と当社モデル想定の答え合わせ

前回から続けて立候補した12人について、前回の得票をもとに当社モデルで試算した「想定得票」と実際の結果を照合すると、想定を上回ったのは6人。全体の環境としては、投票率が-2.7ポイント低下した。

候補者 前回 モデル想定 今回 乖離
すわ 桂一 1,385(1位) 約1,218 929(2位) −289(−24%)
一之瀬 しげき 675(4位) 約593 331(15位) −262(−44%)
一瀬 正 748(3位) 約668 503(7位) −165(−25%)
斉藤 みさ 931(2位) 約840 973(1位) +133(+16%)
秋山 とよひこ 492(10位) 約433 508(6位) +75(+17%)

最大の上振れは秋山 とよひこ氏。前回492票(10位)→今回508票(6位)で、モデル想定(約433票)を+75票(+17%)上回った。地域での活動の積み増しなど、ネット外の要因が押し上げたとみられる。

逆に最も想定を割り込んだのは一之瀬 しげき氏。前回675票(4位)から落選した。モデル想定(約593票)を262票(-44%)下回っており、投票率の低下が影響した可能性がある。

※ 「想定得票」は前回の得票実績から当社モデルで機械的に試算した値です(算出方法は非公開)。乖離要因の記述は、候補者数・投票率・ネット発信状況など確認可能な事実に基づく推察です。

埋蔵票の推計

当社の統計モデルでこの選挙を分析すると、既存の政党・現職のいずれにも固定されていない票——いわゆる「埋蔵票」は約1,214票(全国ランクC・やや少なめ)と推計される。これは当選ライン3.6人分に相当し、組織を持たない新人にも十分な当選余地がある数字だ。

政党別の攻略余地

政党別に見ると、自民党は国政での得票力に対して地方議席が追いついておらず、上積み余地は+1,767票と最大。公認候補を1人立てれば当選圏に届く計算であり、次回の擁立が注目される。一方、日本共産党は現職が期待票をほぼ使い切っており、追加擁立の余地は乏しい。

政党 期待票 上積み余地 公認新人の不足票
自民党 1,767 +1,767 0
公明党 819 0 333
立憲民主党 585 +585 0
日本共産党 270 0 333
参政党 184 +184 149
国民民主党 164 +164 169
日本維新の会 113 +113 220

次回の市川三郷町の選挙は2030年9月ごろと想定される。埋蔵票1,214票をどの陣営が掘り起こすか——準備は早い者勝ちだ。

※ 本記事の選挙結果は公開情報です。埋蔵票・上積み余地は、公開されている選挙結果と国政選挙の比例得票データをもとに当社独自の統計モデルで推計した参考値です(算出方法は非公開)。自民党は公認候補のみで集計し、無所属で活動する党員は無所属として扱っています。

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